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Brief21 「長いまつげ」:つけまつげの必需品、ピンセット
さて、まつげですが‥‥
前回書いた「黒目の補助線としてのアイメーク」というのが、ちょっと舌っ足らずになったきらいもあるので、それを補足した上で、その関連としてまつげの話をしたいと思います。
まず、この写真を見てください。(何度も出してきてすみません。それなりにお気に入りの写真だものですから。それに、正面を向いたまま黒目を極端に片方に寄せているので、ちょうどいいかと思って‥‥。)
‥‥ということで、この写真の左目の輪郭を抽出してみます。
これに、実際には見えていない部分の黒目の円弧を描き加えてみるとこうなるわけです。さらに、視線の高さが同じだとして、目を動かした時の黒目の位置を、中央と目じり側に描きこむくと右図のようになるでしょう。
では、このそれぞれの状態で、実際には黒目の円弧がどれだけ見えているかというと――
A 目がしら側にある場合は、上の写真でもわかるように、半分近くの円弧が見えていますし、眼孔の形自体も丸みを帯びているので、黒目の丸さはわかります。
B の黒目が真ん中にある、つまり正面を見ている場合は、黒目の円弧の6〜7割は見える位置にあり、はっきりと円が認識できます。
問題は、C の目じりにある時です。ものが見えるぎりぎりの横目、つまり瞳孔が表に出ている限界の黒目がこの位置でしょう。この時は、上まぶただけでなく下まぶたもせり上がっていて、円弧がはっきりとわかりません。
前回言ったのは、アイメークとは、つまりは、この黒目の動きの見えない部分にそって補助線を入れてやるということなのではないか、ということです。
そして、そう考えると、ここで二重とともに重要な役割を果たすのがまつげです。
一般的に言ってまつげは目じり側の方が濃くて長く生えています。そういう点でも、黒目が隠れる目じりのアイメークにとってありがたい存在だと言えます。まつげをうまく強調すれば、不自然ではなく、目じりを豊かな感じに仕上げられるからです。
おそらく、まぶたの縁に明るい寒色系のシャドーを入れることが多いのは、黒目の補助線の役目を果たしつつ、アイラインとこのまつげを際だたせるためでしょう。
さらに、ここで重要なのは、下まつげです。
前掲の図の C の位置に黒目がある時には、黒目の円弧は下まぶた側にも隠されてしまいます。ところが、ちょうど都合がいいことに、目の下のまつげは、目じり側では眼孔を離れ、この黒目の見えない輪郭あたりに生えているのです。できれば、この下まつげもうまく使いたいものです。
ということで、まつげメークの実際に話を移したいのですが、まず、また言い訳をひとつ。
じつは、まつげの重要性をこれだけ強調しておきながら、悲しいことに、私のまつげは長くも濃くもありません。
そのため(マスカラだけでは限界があるので)、私は通常、女装する時はつけまつげを使います。ここにある写真も、大半は、つけまつげをつけてのものです。
とはいえ、私も、いちおうナチュラルメークをしようと努力はしてみましたし、お読みの方の中には、生まれつき長くて濃いまつげをお持ちの方もいらっしゃるでしょうから、マスカラの塗り方から話すことにします。
マスカラを塗る前には、まず、ビューラーで、まつげをカールします。
ひと昔前までは、ビューラーといえば、はさみのようになった器具の先にゴムパッドがついた金属製のものしかありませんでしたが、最近では、もっと手軽な樹脂製のものも出ていて、コンビニなどでも売っています。中には、500円玉より多少大きい程度の携帯用のもの(使う時は、折り畳まれた部分を立てて使います)もあります。ポーチの中などに隠して持っておくにはちょうどいいでしょう。
実際に使うには、ビューラーの上下のゴムパッドにまつげをはさんで力を掛けカールするわけですが、この時、ちょっとしたコツがあります。一度だけつまむのではなく、まつげの根本から毛先に向かい少しずつ位置をずつずらしながら何度かやると、きれいなカールができます。
マスカラを使う時はもちろんですが、つけまつげをつける場合も、このビューラーの作業はした方がいいでしょう。本来のまつげをカールすることで、それがつけまつげと一体化して、まつげが2枚あるような不自然な感じを防ぐことができます。
マスカラを塗る時には、あのパイプブラシのような小さなブラシでまつげをなでるのはご存知でしょう。
この時の基本的なコツは、ブラシを持った手を上下に動かそうとするのでなく、手首を回転させる感じでまつげをなでること。その方が、せっかくファンデやシャドーを塗ったまぶたなどを汚さずにすみます。
まつげの下側からだけでなく、(それこそ、まぶたを汚さないようにするのに細心の注意が必要ですが)上側からも塗っておいた方が、うつむいた時や目をつむった時にまつげが映えます。
この作業もまた、一度でかたづけようとするのでなく、何度かくり返しやって重ね塗りしてください。
左の下側→右の下側→左の上側→右の上側→左の下側→‥‥と、そのサイクルを2・3度繰り返すようにするとよいでしょう。一度塗ってすぐ重ねるより、前に塗った分が乾いたあとの方がつきがよく、ボリュームも出るからです。
さらに、前に書いたように下まぶたのまつげを活かすため、ここに塗ることも忘れないでください。下まつげにマスカラする時は、上まつげとはちがい、ブラシを垂直に立てるように持ち、先っぽで塗ります。これも、ちょっと油断するとすぐに肌についてしまいますから注意してください。
もともとまつげの長い幸せな方は、これだけで、ボリュームのある印象的なまつげができあがるはずです。
私のようにそうでない人は、やはりつけまつげに頼ることになります。
しかし、これが、じつは、男にとってはかなりむずかしい作業です。
単純に「慣れていないから」というだけでなく、男には他につけまつげがつけにくい悪条件があるのです。指の太さです。
つけまつげは、鏡に顔を寄せ、目を開いたまま、しっかり位置を確認してつけないとうまくいきません。ところが、指先の太い男の場合、つけまつげを持った指が視野をふさいでしまい、かんじんのつけまつげとまぶたの接する場所を見えにくくしてしまうのです。
右利きの場合、右目につける時はまだ、左目の方で見ることもできますが、左目をつける時には、頼りの右目もその前に手がかぶり使えないということになります。
それを防ぐため、私は、つけまつげを使う時はピンセットを用意するようにしています。ピンセットではさんでつければ、つけまつげとまぶたの位置関係がよく見えるのです。(やはり、女性のように指の細い幸せな方は必要ないかもしれませんが。)
初心者にとって、つけまつげがむずかしいのは、ひとつにはグルー(のり)のつけかたの問題があります。
つけまつげを買うと、チューブ入りの専用グルーがいっしょに入っています。最初の頃は、たいてい、これをつけすぎ、大きくはみ出て二重まぶたを固めてしまったり、なかなか乾かず、せっかくつけたまつげがずれたりはがれたりしてしまうことになるのです。
グルーはつけすぎないように、少量をきれいに伸ばして塗ってください。まちがっても、チューブの口から直接つけまつげにつけるようなことはしないでください。
このグルーをつけまつげに塗るのには、じつは、うまい方法があります。次のようにやってみてください。(右利きの場合で説明しますので、左利きの人は左右を逆に読み替えてください。)
(1)まず、左手の指先でつけまつげの中央あたりをつまんで持ちます。
(2)そして、その左手の甲の上に、グルーをチューブから「米粒大」出します。
(3)次に、右手の人差し指の先でそのグルーをぬぐい、左手に持ったつけまつげのまぶたに触れる部分に伸ばすように塗ります。
つまり、グルーは米粒大でいいのです。そして、上のようにいったん手の甲の上に出して、量を確かめてからつければ、つけすぎることを防げるわけです。おまけに、甲の上にのせることで、つける前に体温である程度固まり、粘度が出ます。
さて、実際につける時は、右手で持ったピンセットで、やはりまつげの中央あたりをつまみ、そっと、開いた状態の目に近づけていきます。
まつげをつける位置は、本来のまつげの根本のすぐ上あたりです。
近くまで持っていったところで、左右の位置を確認します。目がしら側の最初のまつげの生え際と揃えればいいでしょう。目じり側は、多少実際の目じりをオーバーしてもかまいません。(もし、目が小さい場合は、先につけまつげの一部をカットしておきましょう。)
グルーのついたつけまつげの真ん中あたりを、まず最初にまぶたに触れさせます。
そのあと、そこを基点にして、左右を貼りつけていきます。
本来のまつげの生えている曲線にそって丁寧に貼っていけば、自然に、まつげが上に跳ね上がったような形で固定できるはずです。
つまり、黒目の補助線がうまくできるわけです。
はじめてつけまつげをつけた時は、まぶたが突っ張ったり、ごわごわした感じがしたりして、気になると思います。
それは、まあ、慣れるしかありません。
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