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Brief5 「まなざし」(1):カメラ目線ばかりが能じゃない


 目の話をもう少しつづけましょう。
 前のページで、女性の顔の記号が「大きな目」、特にそこからのぞいている「きれいな白目」だと書きましたが、この「白目」については、女の記号のうちでも「かわいらしさ」を表す記号だと言っていいでしょう。

 たとえば、女性を撮った雑誌グラビアや写真集を思い出してください。統計をとったわけではありませんが、アイドル系の女の子の場合とセクシー系のAVモデルの写真では、おそらく、顔を向けている上下の方向が大きくちがうはずです。アイドル系では、どちらかといえばうつむき加減が多く、セクシー系では顔を上に向けていることが多いと思います。
(‥‥あっ、これは、あくまでカメラのレンズに対してという話です。カメラが上から俯瞰で撮っているような場合は、顔自体は上に向けていても、カメラに対して顔はうつむいていることになりますし、逆に下からあおっている場合は、少しくらい顔が下を向いていても、カメラからは上方向を向いている位置関係になります。むしろ、「カメラに対してあごを上げているか下げているかのちがい」と考えた方がわかりやすいかもしれません。)

 で、その時、カメラに対してあごを下げている、つまり、うつむいている位置関係にある場合、カメラ目線をしていれば、いわゆる「上目づかい」という形になります。この方が、白目は、圧倒的に多く露出します。アイドル系はこちらが多いわけです。
 カメラに対してあごを上げている、つまり、上を向いている場合は、視線とともにまぶたが下り、白目が見えなくなります。この場合は「かわいらしさ」が消え、セクシーな印象になります。
 鏡を見ながら、顔を上下に振ってみると、この関係はよくわかります。

 男の場合、一見、上目づかいのかわいらしい表情の方がむずかしいだろうと考えがちですが、じつは、あごを上げたセクシーな表情の方が(まともに女っぽく見せるのには)無理が多いのです。
 というのは、顔の中での目、特に白目が、あまりに記号として強いからです。その記号を強調すれば、その強さで他の部分の男の記号を隠してくれるのです。見る側から言えば、つい、視線が目に行って、他の部分に目を向けなくなるというわけです。
 あごを上げた状態では、その強い記号が消えてしまい、相対的に男の記号が目立ってきます。それだけアラが見えることにもなるのです。
(もちろんその他にも、男と女の記号としての「あごのラインのちがい」ということもあります。あごを上げると、エラの張りやごついあごの先など、男の記号が目立ちます。)
 つまり、男が女に見せようと思ったら、うつむき加減で上目づかいにして、かわいく見せる方が、ずっとラクなのです。

 ただ、このうつむき加減というのも、限度があります。カメラに対して、頭を前方45°まで傾けると、いわゆる「目をむいた」状態になってしまいますし、また、白目も黒目も、目そのものが見えにくくなってしまいます。「若干うつむく」というくらいがちょうどいいと思います。

 上下方向だけでなく左右方向でも、これと同様に、「顔の向き」と「目の向き」を分けて考えていく必要があります。

 同じように目を見開いていたとして、白目の印象が最も薄くなくなるのは、黒目が目の中央に来ている時、つまり、顔も目も真っ直ぐにカメラを向いている時です。この時には、白目が黒目の左右に分散され、面積が小さく見えます。
 この状態から(目はカメラを見たままで)、顔を左右に振ると、片側の白目が大きく見えてきて、白目の印象が増します。
 左右にしても、カメラに正対するのではなく、顔を多少振った方が、女の記号としての白目は強調されます。(これにも、うつむきすぎはよくないのと同じで、限度がありますが。)

 いずれにしても、女の「大きな目」を表現しようと思ったら、やたらと目を見開こうとするより、そんなふうに「白目を見せる」ことを意識した方がうまくいきます。ただ、目を大きく開こうとすると、目の周囲に力が入り、不自然な感じになることも多いのです。

 と、ここまでは、いわゆる「カメラ目線」での話です。
 もっと簡単に白目を見せるには、「カメラを見ない」という手もあります。
 セルフポートレートを撮っていたりすると、ついつい、そこまで頭がまわりませんが、何もカメラ目線だけが、ポートレートというわけではありません。
 脇を見ていた方が、つまり、いわゆる「横目」の方が、魅力的に見える場合も多いのです。前ページにも掲載したこの写真など、その典型と言っていいでしょう。

 ただ、ここでもやりすぎはよくありません。たとえばこの写真の場合など、ずいぶん横を見ている感じに見えますが、実際には、カメラからせいぜい30°くらい視線をはずしているだけです。
 目を大きく開いた上で、視線を横にずらすと、実際の角度より、大きく視線をはずしているように見えるのです。

 これも、それだけ、白目の印象が強いからでしょう。


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