【界】
「あ……」

　スカートを持ち上げた俺を咎めるように、声を
出す界。

【悠斗】
「ほら……
　こうなっている」

【界】
「は、はい……」

【悠斗】
「普段よりずっと大きくなってるよな。
　わかるだろ？」

【界】
「はい……はいっ」

【悠斗】
「どんな気分だ？」

【界】
「その……恥ずかしいです……」

【悠斗】
「そりゃ、あんまり人に見せるようなもんじゃあ
ないからな……」

【悠斗】
「他には？
　恥ずかしい以外にはどんな気分だ？」

【界】
「その……
　自分の、心臓の音が聞こえます」

【悠斗】
「だよな。
　興奮してるんだから」

【界】
「興奮……ですか……？」

【悠斗】
「勃起ってのは、だいたい性的に興奮したときに
　起こるんだぞ」

【界】
「性的に……興奮……」

【悠斗】
「心当たりは？」

【界】
「……ありません」

【悠斗】
「本当にそうかな？
　もっとよく考えてみなよ」

【界】
「あ……」

【界】
「その……女装……したから……でしょうか」

【悠斗】
「そうだろうね」

【界】
「ああ……そんな……」

　びくん、と鏡の中の界の分身が軽く跳ねた。

【界】
「そんな……ボク……」

【悠斗】
「なっちまったものはしょうがない。
　人間の身体はそういう風にできてるんだから」

【界】
「は、はい……」

【悠斗】
「よし、いい子だ……」

【悠斗】
「界、この先は知ってるか？」

【界】
「この先……と、言いますと……？」

【悠斗】
「勃起したあと、○○○○がどうなるか」

【界】
「いえ……あの……
　こうやって大きくなったあとにも……まだ何か
　あるのですか……？」

【悠斗】
「ということは、この先は経験してない？」

【界】
「は、はい……」

【悠斗】
「ふむ……」

　やっぱり、ここまで来たら最後まで教えるのが
親切ってもんだよな……

　だよな？
　だよな。

　うん。